サードウェーブデジノスは7月17日、同社製ノートPC「Critea DX4」をベースとした下位構成モデル「Critea DX4 with Bing」を発表、本日より販売を開始した。価格は3万7980円(税別)。
OSとしてWindows 8.1 with Bingを搭載する低価格帯モデルで、CPUはCeleron 2950M(2GHz)を搭載した。ディスプレイは1366×768ドット表示対応の15.6型ワイド液晶を内蔵、メモリはDDR3 4Gバイト、HDDは320Gバイト、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブを装備。IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0+HS、HDMI映像出力なども利用可能だ。
当連載で3カ月に渡ってソニー、東芝、パナソニック各社の4Kテレビの詳細を紹介してきたが、今月は6月下旬から店頭に並び始めたシャープの4Kテレビ「UD20」シリーズをとりあげたい。60V型の「LC-60UD20」をじっくりチェックする機会を得たので、その画質インプレッションを中心にお伝えしよう。
【画像:「ピクセルディミング」の設定メニュー】
6月2日から放送が開始された124/128度CSデジタルの「スカパー!502チャンネル」を用いた4K/60p試験放送が、当初の予想を上回る良好な画質であることを先月の当連載で述べたが、その放送が受信できるのは、現在のところシャープの4Kレコーダー「TU-UD1000」のみである。自社製品同士の組合せとなるUD20シリーズは、当然ながら他社の4Kテレビ以上に安定した受信が可能となるうえ、TU-UD1000のHDMI出力に照準を合わせてきめ細かなチューニングを重ねているはずで、ネイティヴ4Kコンテンツならではの高精細映像の魅力をいち早く楽しみたいという向きは、まずUD20シリーズに目を向けるべきだと思う。
また、UD20シリーズには「TU-UD1000」同様HEVCデコーダーが搭載されており、映像配信サービス「ひかりTV」でこの10月から開始予定の4K VoD(ビデオ・オン・デマンド)配信にも対応できる仕様となっている。このへんの対応の速さ、先頭を切って新しいことに挑戦する姿勢に、シャープという企業が本来的に持つ腰の軽さみたいなものを実感してしまうのは筆者だけではないだろう。
さて今回のUD20シリーズ、ネイティヴ4Kコンテンツ対応というだけでなく、2014年版高級テレビとして実によく練り上げられた製品だということもよく分かった。狭額縁のシンプルなデザインのディスプレイ下部に別筐体のスピーカーキャビネットを取り付け、両サイドに脚を用意したその意匠は揺るぎない安定感があり、目にしっくりと馴染む。
またそのスピーカーも本格仕様で、L/Rチャンネルそれぞれに真円のミッドレンジ・ユニットを2基ずつ充て、その外側にツィーター(高域ユニット)を置き、ステレオフォニックな音の広がりが得られるように留意。また、ディスプレイ背面には低域ユニットを2基用いた「Duo Bass」を配備し、本格的なサウンド・バランスを志向していることが分かる。
実際に聴いたその音は、音圧がきちんと取れて力強く、ニュースのアナウンスや映画のダイアローグもきわめて明瞭(めいりょう)だ。この音質ならそれなりに値の張るサウンドバーや台座スピーカーなどを新たに買い足す必要はまったくないと断言できる。もっとも、4Kテレビの最適視距離といわれる1.5~2H(画面高の1.5 倍から2倍)まで近づくと、音が画面の下から聞こえる違和感をぬぐい去ることはできず、映像と音像の一致を求めたいと考えると、ソニー「X9200Bシリーズ」のように画面両サイドにスピーカーを配置してほしいとは思う。
それから実際に本機と向き合って改めてよいと思ったのが、モスアイパネルの効果。ディスプレイ表面に微細な突起を持たせて入射光を拡散させ、部屋の照明などの映り込みを抑えると同時に黒浮きを軽減させるのがこのシャープ独自技術の特長だが、現在主流の光沢パネルのように、映画の暗いシーンなどで自分のマヌケ面が画面にはっきり映り込んでしまうなんてことがなく、これはほんとうに有り難い。黒い鏡のように見える「映り込み」は、本機のような60V型大画面ではひときわ気になるノイズになってしまうからだ。
●「LIFE!/ライフ」で切れ味鋭い超高解像度映像を確認
では、UD20シリーズの画質面の特筆すべきポイントを見ていこう。LC-60UD20の画質をチェックして、4K/60pコンテンツの高精細なハイフォーカス映像とともによいと思ったのが、リッチな色再現だった。まだ4Kパネルにはシャープお得意の4原色タイプは存在せず、本機は通常のRGB3原色パネルではあるのだが、本機のLEDバックライトには新たな発光材料が採用され、それに最適化したカラーフィルターと色復元回路の開発により、色再現範囲を昨年の4Kテレビ「UD1シリーズ」よりも約12%拡張し、デジタルシネマの技術標準化DCIが定める色域をほぼカバーしたという。
本機には、映画観賞用映像モードとして「映画」と「映画THX 」の2つがある。前者は、シャープが独自設計した暗室環境で観るにふさわしい映画画質。後者は、ルーカスフィルムから派生した高級AV機器の認証化団体であるTHXが定めたモニター画質に準拠したものだ(つまりUD20シリーズは厳格に定められた「THX 4Kディスプレイ規格」の認証を得ているということになる)。
「映画THX」の色域設定は、DCIよりも狭いハイビジョン規格の「BT.709」色域にピッタリ合わせられているが、「映画」は、本機の色域改善が大きくフィーチャーされた画質モードになっている。同社開発陣に話を聞くと、この「映画」モード時には、彩度の低い部分ではほぼ「BT.709」相当の色域に抑え、彩度(サチュレーション・レベル)が70%を超えたあたりのエリアでぐっと色域を広げるという手法を採っているという。すなわち全体に不自然な色にならないように留意しながら色合いの豊かさを実現しているわけだ。
また「映画THX」のモニター画質に比べて「映画」のほうが、個人的にはホワイトバランス、スキントーンともにより好ましく感じられる。「映画THX」の色温度設定はD65で、「映画」は6500ケルビンを基準にしながら、D65特有の緑が強く出るホワイトバランスを是正するように色温度設定されているようだ。このへんの画質チューニングの上手さに4K AQUOSの成熟が感じられる。
本機に限らずUD20シリーズは、LEDバックライトを画面上下に配置したエッジライト方式。暗室環境での黒の再現性についていえば、直下型バックライトを採用したソニー「X9500Bシリーズ」や東芝「Z9Xシリーズ」の後塵を拝するのは事実だ。しかし、通常の100~150 ルクス程度のリビングルーム照明下であれば、モスアイパネルの恩恵もあり、それら直下型バックライト・タイプに迫るコントラスト性能が実現されているといっていい。とくに白のヌケがきわめてよく、本機のハイフォーカスな画調をひときわ強く印象づけることに寄与している。この画調は、映像入力信号をピクセル単位で分割し解析、明るさの情報を再配置する新開発の「ピクセルディミング」技術が大きく貢献しているのだろう。
8月2日に発売される映画Blu-ray Disc「LIFE!/ライフ」を本機LC-60UD20でじっくりと観てみた。才人ベン・スティラーが監督・製作・主演を務めたこの作品、米国の歴史あるグラフ誌「LIFE」の写真管理部門ではたらく内気な中年男ウォルターが主人公。この伝統ある雑誌の休刊が決まり、最後の表紙写真が見つからないという大問題に直面したウォルターが、グリーンランド、アイスランド、アフガニスタンを旅してその写真を撮ったカメラマン、ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)を探し出す物語だ。
「アナログ時代の終焉」を描いたこの作品、そんなことが関係しているのかどうか、本作はデジタルではなくコダックの35ミリフィルムで撮影されている。DIマスターフォーマットは2K(HD)とのことだが、LC-60UD20の「映画」モードで観ると、4Kワークフロー作品に違いないと思わせる切れ味鋭い超高解像度映像が楽しめる。
とくにウォルターがヒマラヤ山中でショーンを見つけ出すシーンなど、ちらつく雪やごつごつした岩肌の描写が精緻極まりなく、自分の視力が上がったかのような錯覚を抱かされた。ネイティヴ4Kコンテンツでなくとも、よく出来た映画BDであれば4Kテレビの高精細な映像の魅力が堪能できることを改めて実感させられた次第だ。
各社から登場したこの夏の4Kテレビは、ほんとうに力作ぞろい。ひと頃の迷いからふっきれたような内容の製品が各社から登場して心強いかぎりだ。これから自分が何を楽しみたいか、テレビに何を求めるのか、そんなことをじっくり考えて後悔しない製品選びをしていただきたいと思う。
[山本浩司,ITmedia]
米Googleは7月16日(現地時間)、「Google Maps for Business」でGoogle Earthの航空写真の販売を開始したと発表した。まずは米国本土のみが対象だが、今後地域を拡大していく見込み。
Google Maps for Businessのユーザーは、「Google Imagery」の航空写真を購入し、自社サービスのページ上で利用できる。
Googleは、政府や企業はわざわざ自前で航空写真を撮影せずに、正確で高精細な写真を利用できるとしている。購入した航空写真はデスクトップの地理情報システム(GIS)で表示したり、Google Maps v3のJavaScript APIで利用できる。Google Earthに直接重ねることも可能。モバイルアプリやモバイルのWebアプリで表示することもできる。
価格などの詳細を知るには問い合わせが必要だ。