日本の自動車メーカーや、米国ビッグ3、BMWに拡大したタカタ製の助手席エアバッグの不具合によるリコール(回収・無償修理)。このリコールが、今度はスバル(富士重工)にも波及した。
画像:スバルレガシィとアウトバック
今回のリコールは、助手席エアバッグのインフレータ(膨張装置)の不具合によるもの。ガス発生剤の成型工程や成型後の吸湿防止措置が正しく行われず、密度が不足したガス発生剤が組み込まれた可能性がある。
これにより、エアバッグ展開時にインフレータ内圧が異常上昇。インフレータ容器が破損して飛び散り、出火や乗員が負傷する恐れがある。
このリコールを、最初に発表したのはトヨタ。これに、日産、ホンダ、マツダ、BMW、フォードモーター、クライスラーグループ、GMが追従した。そして今回、同じタカタ製の助手席エアバッグ・インフレータを採用していたスバルも、米国でリコールを行うことを明らかにした。
米国NHTSA(運輸省道路交通安全局)の7月7日の発表によると、スバルでは、『レガシィ』と『アウトバック』の2003-2004年モデルの一部、『インプレッサ』(WRX含む)の2004年モデルの一部が、タカタ製の助手席エアバッグの不具合に起因したリコールに該当。米国で販売された8557台が、リコールの対象になる。
《レスポンス 森脇稔》
「Xperia Z2 SO-03F」の日本語入力システムは、従来の「POBox Touch」から「POBox Plus」に変更された。名前が新しくなっただけあり、UI(ユーザーインタフェース)や設定方法も大きく変わっている。「Xperia Z1」に搭載されていた「POBox Touch 6.2」と比べて何が変わったのかを見ていこう。
【画像:POBox Plusのテンキー】
●キーの割り当てが変更された
POBox Plusではキーの割り当てが少し変更されている。まず、POBox Touchでは左上にあった音声入力/プラグインアプリ呼び出しのキーが「ツール」キーに変更されている。音声入力やプラグインアプリの呼び出しは、ツール内の設定項目から行える。
POBox Touchでは記号キーと数字キーが1つに統合されており、短押しで数字キー、長押しで記号や顔文字を呼び出せた。一方、POBox Plusでは記号キーが独立し、短押しで記号/顔文字/絵文字一覧を呼び出せるようになった。地味だがうれしい改善点だ。
●設定項目が見やすくなった
ツールキーを押すと、日本語入力設定でよく使うショートカットが表れる(もう一度ツールキーを押すとショートカットは非表示になる)。左端の「・・・」を押すと、設定・ヘルプ、入力方法、プラグインの3つのメニューが表れる。「キーボード一覧設定」「PCキーに切り替え」など、いずれも日本語で機能名が表示されているので分かりやすい。この中でよく使う機能が、上述したショートカットに縦画面で6個、横画面で10個まで表示される。ただし任意の設定を手動でツールに入れることはできない。
●キーサイズの変更は「左寄せ」か「右寄せ」のみ
POBox Touchではキーボードのサイズを指で自由に変更でき、設置場所もある程度調整できたが、POBox Plusでは左寄せか右寄せしか選べない。「片手キーボード」を選び、左右に空いた「<」か「>」を押せばキーボードの位置が左右に切り替わる。指の大きさは人それぞれなので、個人的にはPOBox Touchの微調整できるスタイルの方が好きだが、シンプルな設定を優先したということなのだろう。
●変換方法を3つのタブから選べる
例えば「あか」と打って「12」を変換するときは左下の「英数カナ」、漢字を1文字ずつ直接変換するときは変換候補右上の「直変」を押すなど、POBox Touchでは各種変換キーがバラバラに配置されていた。POBox Plusではこれも改善され、変換候補の上に「予測」「変換」「英数カナ」という3つのタブが表示され、目的に合わせてタブを押すだけで変換方法を変えられる。このタブは、変換キー(文字を打っていないときは英数カナキー)を押しても切り替わる。
●入力した文字の「やり直し」が可能に
文字を入力すると、変換候補の最初に矢印マークが表示され、これを押すと確定までの状態に戻れる。誤変換や誤入力してしまったときに便利な機能だ。
また、誤入力しても正しい候補を変換できる「日本語入力ミス補正」機能も新たに用意されている。例えば「お世話になっております」と入力する際に「おさわに」と入力しても、「お世話に」が変換候補に表れる。
●文字入力して絵文字を変換できるように
「おはよう」「おやすみ」などのあいさつや、「わーい」「眠い」など感情や体調を表す言葉などを入力すると、絵文字が直接変換候補に表れるようになった。絵文字一覧を呼び出す必要もないので、たまたま変換された絵文字をノリで入力することもありそうだ。顔文字も、従来どおり文字を入力して直接変換できる。
●アシストキーボードは利用不可に
以前からPOBox Touchを使っていて「これはすごい」と思ったのが、「アシストキーボード」だった。この設定を有効にすると、QWERTYキーの日本語入力時に、次に入力される文字だけを大きく表示したり、使わないキーを非表示にしたりできる。QWERTYキー利用者には重宝していた機能だと思うが、POBox Plusでは廃止になってしまった。
ソニーモバイルに確認したところ「POBox Plusでは、入力を間違っても正しい変換候補を提示する『日本語入力ミス補正』という“アシスト”機能が新たに搭載されているので、従来のPOBox Touch同様に快適に入力いただけると考えている」とのこと。しかし入力スピードを上げるアシストも必要だと思うので、個人的には残念な仕様変更だった。
また、QWERTYキーの数字モードにて、数字キーの下に表示される記号をカスタマイズできる「キーボードカスタマイズ」も、POBox Plusでは廃止されている。
●オンライン辞書は使えなくなった
ユーザー参加型の「Social IME」を用いたオンライン辞書も、POBox Plusでは廃止されている。固有名詞や面白い顔文字を変換するのに役立つ機能だが、あまり使われていなかったから、あるいは気付いてもらいにくい機能だったからなのだろうか……。
●スムーズに入力できる?
Xperia Z2を1カ月以上使っているが、アシストキーボードが廃止されたことを除けば、入力でストレスを感じることはほとんどない。テンキーのフリック入力も素早く指を動かしても誤入力されることはほとんどなく、しっかりと指の動きに付いてきてくれる。QWERTYキーの英語は数字とアルファベットが1画面に表示されるので、数字+英語のパスワードや製品名(Xperia Z2など)を打つときにありがたい。
POBox Touchでブラッシュアップさせてきた細やかな設定がなくなったのは少々残念だが、POBox Plusは、特にスマートフォンを初めて使う人には分かりやすい日本語入力システムではないだろうか。
[田中聡,ITmedia]
インターネットイニシアティブ(IIJ)と日本マイクロソフトは7月10日、クラウドサービス事業で協業したことを発表した。協業の第1弾として、Microsoftのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」の閉域網接続サービス「ExpressRoute」をIIJがパートナーとして初めて日本国内で提供していく。
ExpressRouteは、企業のオンプレミス環境とAzureをプライベートネットワークで接続するサービス。安定的なパフォーマンスや高いセキュリティ、高スループットを低いコストで提供できるのが特徴だという。一般的にユーザー企業のデータセンターやサイトとAzureをつなぐ場合、インターネットを介したIPsec VPNを利用する。この方法でもトラフィックは暗号化されるが、一般のインターネット回線の中でデータのやり取りがなされるので、セキュリティを重視する企業は懸念があった。また、レイテンシーやスループットの問題もあった。ExpressRouteを活用すれば、ユーザー企業のWANにAzureを直に接続することが可能となるため、こうした課題の解決につながる。
ExpressRouteは、既に米国やヨーロッパで提供を開始しており、日本では今年10月からサービスの受注活動を開始する。今回の協業による具体的なソリューションとしては、顧客のオンプレミスシステムとAzureデータセンター、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO サービス」をプライベートネットワークで接続し、相互連携したマルチクラウド環境を提供する。
「クラウドサービス市場の成熟によって、用途に合わせて複数のサービスを使い分けたいというユーザー企業が多く、マルチクラウドのニーズが高まっている。今回発表するソリューションを利用すれば、3つの環境間でデータやシステムを安全かつ安定的に行き来できるようになる」と、IIJの勝栄二郎社長は協業サービスの意義を説明する。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長も「ExpressRouteの初の国内パートナーとしてIIJがふさわしかった。パブリッククラウドであるAzureのプラットフォームと、IIJのセキュアなクラウド基盤を組み合わせることで顧客のあらゆるニーズをくみ取れる」と応じる。
マルチクラウドの主な利用シーンについて、IIJ 専務執行役員 クラウド事業統括の時田一広氏は、「ストレージバックアップリカバリ、アプリ開発、ビッグデータ/IoT(モノのインターネット)関連、メディア配信、基幹業務アプリケーションと幅広い。ユーザー企業が今後クラウドに搭載したいさまざまなシステムに対応できるはずだ」と意気込む。
今回のクラウド事業における協業に伴い、今後IIJと日本マイクロソフトでは、共同セールスおよびマーケティング活動、共同サポート体制の構築などを進めていく。今後3年間で200社へのマルチクラウドサービスの提供を目指す。