サムスンが開発するバーチャルリアリティ・ヘッドセットのプロトタイプと称する画像が現れました。製品名は『Gear VR』(仮)。ソフトウェアはVRヘッドセット Oculus Rift の Oculus VR社が担当し、サムスンの次期Galaxy スマートフォン (Galaxy Note 4)を装着してディスプレイとして使います。
サムスンのVRヘッドセットは『Gear VR』、ソフトはOculus製。次期Galaxyスマートフォンを装着
サムスンがVRヘッドセットを開発しており、ソフトウェア部分は Oculus が担当することについては、今年5月に開発者筋からリークがありました。
初期の開発者キットに触れたという情報提供者から Engadget が得た証言によれば、両社の提携はこれから市場拡大が見込まれるVRヘッドセット分野にライバルより先に参入したいサムスンと、自社のOculus Riftを製品化するため高品質な有機ELディスプレイが必要な Oculus との利害が一致したことから。
サムスンといえば、Googleがウェアラブル向けのAndroid拡張 Android Wear を発表する前から独自規格の多機能スマートウォッチ Galaxy Gear を投入するなど、拡大しそうな分野については満を持さずにとりあえずぶっ放して後から改良する前傾姿勢で知られています。
また Galaxy Sシリーズが前世代モデルとの差別化に苦心し破竹の勢いにも翳りが見えるなかで、Galaxy S や大画面高精細の Galaxy Note シリーズに対するプレミアムな付加価値として目新しい周辺機器を投入したい動機もあります。
(こちらは Oculus の第2世代開発キット初期型(1.5世代モデルの Crystal Cove)。)
一方で Oculus VR側としては、20歳の若者 Palmer Luckey氏が創業してから2年足らずで Facebook に約2000億円で買収され当座の資金や事業拡大のハードルは低くなったものの、肝心のVRヘッドセット Oculus Rift のハードウェアのために、サムスンの持つ高精細有機ELパネルがどうしても欲しいことが提携の動機と考えられます。
Oculus Rift は眼前に括りつけたディスプレイの映像をレンズで目に届ける仕組みであることから、パネルの解像度はVR体験の説得力に直結します。現行の開発キットDK2では1920 x 1080のフルHDパネルを使い初代の1280 x 800よりはマシになりましたが、原理的に片目につき半分に分割した解像度になること、また売りの広い視野(水平90度)のために引き伸ばされた状態になることから、中型程度のテレビやスマートフォンならば粗いと思われないフルHDでも、Oculusでは独特の粒状感があり、没入感はすごいけれど現実とは間違えようがないゲーム的感覚の理由になっています。
また有機ELは応答速度が高い(残像が少ない)ことも、着用者が首を振るたびにものすごい勢いで画面がパンするVRヘッドセットにとっては極めて重要です。Oculus Riftでも初代の開発者キットは液晶でしたが、第2世代のDK2では有機ELを採用してかなり残像が軽減されています。
(こちらはGoogle製の段ボール自作VRキット Cardboard)
さて、このようなうわさがあったサムスン製VRヘッドセットについて、参考リンク先の SamMobile が新たに得た情報として掲載したのが冒頭の『Gear VR』プロトタイプとされるCG画像。Googleが開発者向けに無料配布した段ボール製のVRヘッドセット Cardboard と同じく、ホルダーにスマートフォンを装着して画面として使う仕組みです。
後頭部にバンドを回すゴーグルであることは他社のVRヘッドセットや映像向けヘッドマウントディスプレイと共通ですが、ゴーグルの右手側にタッチパッドと、そのうえに「シースルーボタン」なるものがあることは新情報です。
Gear VRは頭の傾きや頷くジェスチャ、音声、または外部接続したゲームコントローラでの操作が検討されていますが、本体に指先だけで使える操作系があるにこしたことはありません。
またシースルーボタンは、ディスプレイ部(あるいは本体)がスマートフォンであることを活かして、背面カメラの映像をパススルーして前を見るためのボタンと考えられます。頭を動かすことが前提のVRヘッドセットはしっかりと装着することが重要ですが、外界が見えないと少し用を足したり落としたコントローラを探したり、飲み物を飲むのも容易ではありません。
前方をスマートフォンを通して表示することで、画像認識を使い情報を重ねたり現実の光景を置き換えたりするAR (拡張現実)的な応用も原理的には可能かもしれませんが、この点については特に情報なし。とはいえ一般的なスマートフォンカメラの画角は人間の視野よりずっと狭いこと、また遅延も避けられないことから、少なくともARをメインの売りとする可能性は低いと思われます。
SamMobile によると、サムスンは Gear VR を9月のIFA 2014イベントで公開する見込み。今年のIFAは9月5日からベルリンで開催予定ですが、同じ9月の後半には Oculus VRが主催する初の開発者カンファレンス Oculus connect も予定されています。Oculus がサムスンに独占的に提供しているといううわさのモバイル版 Oculus SDK の話題など、秋には両社からの新情報ラッシュが期待できそうです。
ポリコムジャパン株式会社(ポリコム)は8日、日本市場向けに3つの新製品を発売した。映像資産を管理する「Polycom RealPresence Media Manager(以下、Media Manager)」、ビデオ会議の録画・ストリーミング用アプライアンス「Polycom RealPresence Capture Server(以下、Capture Server)」、限りなくリアルに近い臨場感のあるビデオ会議空間を提供するイマーシブ・テレプレゼンス・コラボレーション製品「Polycom RealPresence Immersive Studio(以下、Immersive Studio)」を提供する。
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Media Managerは、録画された映像資産を収集・変換・整理・保護・分析できるソフト。さまざまな場所・ネットワークから任意のデバイスを使用して、これらの映像資産にライブまたはオンデマンドでアクセスできる。録画された研修プログラムや面接記録、ビデオ会議などの重要な映像資産を簡単かつ迅速に適切なメンバーに共有可能となる。
250ユーザーから最大4万ユーザーをサポートし、デバイスはビデオ会議端末以外にWindows/Mac/iOS/Android/Windows Surface Proに対応、Webブラウザを解してコンテンツの閲覧・アップロードできる。コンテンツの変換・管理・保護に関するルールを組織全体で標準化できるので、管理者が映像資産の使用状況を詳細に把握可能。APIを利用すれば、Microsoft SharePointまたはLearning Management Systems用にカスタマイズ・統合も可能となる。
Capture Serverは、既存のPolycom RealPresenceプラットフォームにネイティブ統合し、ビデオ会議端末、モバイル端末、およびWebブラウザ上のビデオ会議をセキュアに録画・ストリーミングできるネットワークベースのアプライアンス。
他社製のビデオ通話レコーダと比較して1.5倍の録画容量を備え、HD品質で最大40のビデオ通話を同時録画が可能。ユーザーは会議室・外出先を問わず、さまざまなデバイスからビデオコンテンツを録画・ストリーミングできる。
Immersive Studioは、映像・音声・コラボレーション機能の細部にまで最適に設計され、等身大表示による限りなくリアルに近い臨場感を体験できるビデオ会議製品。同社初の4K Ultra HDディスプレイを採用した。現在は1080p60解像度の出力までだが、順次4K出力に対応する予定。発信者の音声も、Polycom 3D Voice技術により、きわめてクリアに空間的に広がりのある音質で再現する。
1つの会議室に最大21名収容。モニターに映し出されたプレゼン資料に書き込めるPolycom VisualBoard技術により、その場で書き込んだ内容をすべての拠点の会議参加者と共有できる。Polycom SmartPairing技術により、同様のイマーシブテレプレゼンスシステム、RealPresence Mobile、RealPresence Desktopがインストールされたモバイル端末やPCを自動的に接続し、各デバイスからもコンテンツ共有や書き込み、ビデオ会議の開始・終了
、音声調節が行える。
それぞれポリコムの認定販売代理店を通じて、8日より正式に提供開始する。価格は全てオープン。
【クラウド Watch,川島 弘之】
マウスコンピューターは7月8日、業務用モデルとなる17型タッチパネル液晶ディスプレイ計3モデル「ProLite T1731SR-2」「ProLite T1731SAW-2」「ProLite T1732MSC-B1X」を発表、7月9日に販売を開始する。いずれも価格はオープン、同社直営楽天サイト販売価格はそれぞれ8万2080円/8万7221円/9万8528円だ(税込み)。
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3製品はいずれもタッチ操作に対応する1280×1080ピクセル(SXGA)表示対応の液晶ディスプレイ。それぞれタッチセンサーの方式が異なっており、T1731SR-2は手袋やペン入力にも対応する抵抗膜方式、T1731SAW-2は安定性に優れる超音波方式、T1732MSC-B1Xは10点マルチタッチに対応した静電容量方式を採用した(T1731SR-2/T1731SAW-2の2モデルはWindows 8非対応のシングルタッチ対応)。
いずれもディスプレイ前面はIP54準拠の防じん/防滴規格に適合。また安定性と強度に優れたスタンドを採用しているのも特徴で、前後角は-5~90度の角度調節が可能だ。