
「ThinkPad X240s」ロードテスト:
前回、「ThinkPad X240s」(以下、X240s)でWindows 8環境で手軽にできるようになったリカバリー作業を試した。Windows 7時代よりかなりラクになるのに少し驚いたが、一緒に作成したリカバリーメディア(回復ドライブ)からのリカバリーはどうなるか、こちらも念のため試してみよう。
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こちらは、最初にUEFIセットアップに入ってリカバリーメディアをブートドライブに指定するひと手間が必要になるが、何らかのエラーでWindows自体が起動しなくなった時などに使用するリカバリー方法だ。
リカバリーメディアでも、ブートするとWindows 8のGUIが起動する。起動後、同様にメニューをたどって「すべてを削除してWindowsを再インストールする」を開始すればよい。所用時間は25分ほど。SSDにある回復パーティションからの作業に対し、転送速度がそれほど速くないUSBメモリにあるためか、Windows 8のロード起動に少し時間がかかったほか、リカバリー実作業も2~3分ほど長かった。こちらはリカバリーメディアとして使うUSBメモリの速度によるだろう。何事もなく終了した。
……と思ったが、その後異変に気がついた。リカバリーイメージの保存領域であった「回復パーティション」がなくなってしまっていた。リカバリーメディア作成時点では削除していないし、前回紹介したOS上からのリカバリーの際は、リカバリー後も間違いなく存在していたはずなのである。
これは少し思い当たるふしがある。途中で「ドライブのパーティション分割をやり直します」を選択したのがいけなかったのだろう。分割をやり直しても、初期時と同じ回復パーティションも復元してくれるものだと思っていたが、考えがちょっと甘かったようだ。
もちろん、すでにリカバリーメディアを作成済みのため現時点で実害はない。が、これでリカバリーメディア(USBメモリ)の重要度は増し、いよいよ紛失することは許されなくなった。個人レベルではWindowsが起動する環境で回復パーティションも残っているのにわざわざリカバリーメディアからリカバリーしてみるなんてことをする人はそうそういないと思うが、X240sは会社貸与PCとして活用するシーンも多いはず。異動や退職などで別の人──例えば後任やIT管理部門などへ返却/引き渡すこともある。そんなリカバリーを代行する機器管理部門の人は少し気を付けてほしい。
●System Updateで、必要なドライバ/ソフトウェア類を一括アップデート
さて、リカバリーを行ったため、ドライバやWindows 8の状態は完全に初期状態に戻った。
Windows 8.1も、リリース後数カ月が経過していることからから、Windows 8.1での不具合などを解消した新しいバージョンのドライバやユーティリティも公開されているかもしれない(1つ1つリリースノートを読めば分かるが、それは面倒である)。UEFI(BIOS)などもあらかじめアップデートしておくほうが面倒は少なそうだ。というわけで、初期状態のWindows 8からWindows 8.1へアップデートする前に、これらをひととおりアップデートしておくことにした。
UEFI(BIOS)に加えて、チップセット、GPU、ストレージ、サウンド、有線LAN、無線LAN、トラックポイントなどのドライバ、その他ユーティリティ……これら大量にあるドライバ類を1つ1つ確認してダウンロード、インストールするのはとても手間だ。個人ユーザーはもちろん、業務を止められないビジネスPCとして使っているならなおさらだろう。
ThinkPadシリーズなら大丈夫だ。ThinkPadシリーズには「System Update」という超絶便利なユーティリティツールがあり、該当するモデルに必要な固有のドライバやソフトウェアについて、新しいバージョンの検出から、ダウンロード、インストールを自動でやってくれる。
System Updateは、仮にリカバリーではなく何らかの理由でWindowsを素の状態でクリーンインストールした場合も、とりあえずインターネットにさえ接続できるようにしてこのSystem Updateさえインストールしてしまえば、あとは半自動でほぼ最新の状態へセットアップが完了する。現ThinkPadユーザーならば常識だが、社員のPCを管理するITシステム部門の人にとっても楽なのはいうまでもない。こういった部分の工夫も会社PCとして継続して選ばれる要素の1つと思われる。
自動検出をしてみると大量のアップデートが検出され、総ファイル数は1Gバイトを超えていた。UEFIのアップデートをする前に手動での確認事項があるほか、ライセンスの承認が必要な場合など途中でクリック作業が発生する場合があるので完全放置でOKというわけにはいかないが、ほぼ放置で終了する。今回は1時間を少し超えるくらいで終了した。
●Windows 8.1へのアップデートには更新プログラムの適用が必要
では、いよいよWindows 8.1に更新してみよう。知っているとは思うが、一応。Windows 8から8.1は無償でアップデートできる。
あれ……メニューが出てこない。8.1へのアップデートはWindowsストアにそれを促すタイルアイコンが表示される。リカバリー前はWindowsストアにアクセスするたびにしつこく通知されていたのでそこは問題ないと思っていたが、どうやら出現(8.1へのアップデート)には一定の条件を満たす必要があるようだ。
この条件とは、Windows 8の更新プログラムのうち「KB2871389」「KB2917499」の2つが適用されていること。確かにリカバリーをしたのでWindows 8もほぼ素のまま。すぐにWindows 8.1へアップデートするつもりでいたので、更新プログラムの適用はサボっていたのである。
Windows Updateを確認すると、「重要な更新」だけで90個以上の更新プログラムが検出されている……なるほど。「KB2871389」「KB2917499」だけ適用して終わらせようと思ったが、すでにそれ以外も自動でダウンロードされていたようで、結局再起動時に全部適用され、かなり時間がかかってしまった(苦笑)。
適用後は無事Windows 8.1のアップデートタイルが表示されるようになり、Windows 8.1へのアップデートも無事に完了した。これでようやく、Windows 8.1環境で使うことができるようになった。(続く)
[鈴木雅暢,ITmedia]
Linkmanは、自作オーディオファン向けのプリメインアンプキット「LV-2.0 Premiumキット」を3月20日に発売する。価格は6万2790円。
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「LV-2.0 Basicキット」の上位機種にあたるモデルで、新開発のUSB-DAC基板とヘッドフォンアンプ基板を追加した。USB-DAC基板にはTIのDACチップ「PCM1795」とamareroのDDC「combo384」を搭載し、DSDネイティブ再生や最大192kHz24bitのPCM系音源再生を実現している。ヘッドフォンアンプ基板ははんだ付けが必要な組み立てキットとなっているが、音質に影響を与えるオペアンプ、トランジスタはソケット式となっている。
キットには、40ワット+40ワットのパワーアンプ、3系統のアナログ入出力を備えたプリンアンプ基板、システムマイコン基板、Rコアトランスの電源回路などが含まれ、ヘッドフォンアンプ基板以外は組み立て済み。基板間の配線とシャーシへの取り付けだけで完成するという。
サイズは300(幅)×77(高さ)×246(奥行き)ミリ。取り扱いはマルツパーツ館の全国12店舗およびWebShopで行う。
スマートフォンに特化したライブ動画配信アプリ「ツイキャス」のユーザーが「545万人」を超えた。昨年11月末に400万人突破を発表しており、2カ月強で約150万人が増えるという順調な成長ぶりだ。昨年末にシリコンバレーに拠点を設立するなど精力的な展開を続けるモイの赤松洋介社長に次の一手を聞いた。
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●フィンランド人より多く「モイ!」
545万人という一見中途半端に見える数字は「フィンランドの人口」だ。ツイキャス配信の開始をTwitterに投稿する際、デフォルトで表示されるかけ声「モイ!」は、フィンランド語で「こんにちは」という意味。赤松社長が2007年に同国に滞在した時、やわらかく親しみやすい響きに引かれたのがきっかけだ。ライブ配信への技術的なハードルを下げ、ネットや機材への理解が浅くても手軽に楽しんでもらいたいというツイキャスのアイデンティティの1つとして大事な言葉になっている。
サービス開始当初「モイ!」の意味を尋ねる問い合わせが約半数を占め、特に女性ユーザーには響きのかわいさが印象に残るなど、新規ユーザーを獲得する大きな要因の1つにもなったという。「フィンランドの人口より『モイ!』でコミュニケーションを始める人が多くなったわけですよね……そう思うと面白いじゃないですか、ここまで大きくなるなんて最初は思ってもみなかった」(赤松社長)
●ユーザー増加は加速、海外展開強化
ユーザーの増加は加速しており、月間純増数記録を毎月更新している状況。母数の広がりによる利用層の変質はほとんどなく、24歳までの学生を中心にほぼ口コミだけで支持を得てスケールアップしており、全国の大学生の約半数(133万人)が利用しているという。男女比はほぼ半々、国内ユーザーは北海道から沖縄まで全国に散らばっている。
配信・視聴共に圧倒的にモバイルの率が高く、トラフィックの7割を占める。配信者によっては、視聴者の9割近くがモバイルから。また、他の動画サービスと比較して認知度に比べ配信経験率が高いという調査結果もあるなど、見るだけでなく自ら発信するユーザーが多いのも特徴だ。ソチ五輪男子スノーボードで銀メダルを獲得した平野歩夢選手も学校の友人を交えて楽しんでおり、人気を集めている。
今年は海外展開を強化する。すでに全ユーザーの16%(昨年11月時点)を占めるブラジルやメキシコなど中南米を中心にユーザー獲得に取り組む。モバイルに特化したライブ配信サービスはほとんどないため、今後のスマートフォン普及率の上昇や若年層人口の多さも踏まえ「伸びる余地はある」(赤松社長)と意気込む。日本とは異なる通信環境や利用ツールでも快適に使えるようチューニングし、類似サービスをすでに利用しているユーザーに乗り換えを働きかけるなどの施策を打って行きたいという。
昨年11月に開設した米サンフランシスコの拠点も本格的に動いていく予定。ユーザー獲得に関わるマーケティングやPR業務のほか、データセンターの設立、現地でエンジニアを採用し開発業務も行いたいという。
●選挙戦でも活用 若年層以外にも広がり
スマホ1台、ワンタップでライブ配信できるツイキャスは、選挙戦での広報用ツールとしても定着しつつあり、若年層以外への認知も広げている。昨年7月の参議院選で当選した山本太郎氏はツイキャスをフル活用したことで知られる。今年2月の都知事選でも4人の候補者が何らかの形で利用し、細川護熙氏は街頭演説の様子を生配信し、数千人規模の視聴者を集めた。候補者による配信ののべ視聴者数は60万人を超えたという。
赤松社長はツイキャスの強みとして(1)屋外や移動中でも配信できる機動性の高さ、(2)SNSとの連携が強さ、(3)ポジティブなコメントが多いこと――などを挙げる。普段とは異なるユーザー層が視聴・コメントしたり、逆に10代を含む若年層がアクセスする例も見られたという。
●「人生が変わりました」――ツイキャスで夢に近づく
中高生が日常的に使うコミュニケーションツールとして普及する中で、ツイキャスでの活躍を夢の実現につなげる人も出てきた。配信によって同世代の間で人気を集めた高校生・松本鈴香(れぴぽちゃ)さんはTwitterのフォロワー数が5万3000人を超え、複数のファッション誌でモデルとして活躍している。
山形県在住のシンガーソングライター・ツユリサナさんは3年以上前からツイキャスを利用してライブなどを配信。口コミでじわじわとファンを増やし、昨年12月にはミニアルバムの発売に至った。ツユリさんからCDと共に運営チームに届いた手紙には「地方に住む私がここまでこられたのはツイキャスのおかげ、人生が変わりました」などの感謝の言葉がつづられている。
自ら発信するだけでなく、魅力ある配信者を「育てる」ことに熱心なユーザーも多いようだ。トップページに「新着」キャスを紹介するタブを設置したところ、予想以上に閲覧数が多く「玄人にウケている」(赤松社長)という。ライブ配信で人気を集めるために重要なのは、本人の見た目や特技以上に視聴者とのやりとり。初心者に各機能の使い方など基本的なことを教えたり、トークの話題の誘導、ネタ振りなどで配信者のよさを引き出すことに楽しさを感じているユーザーも多いらしい。「面白いものを見たいというより、一緒に成長する参加意識が強い。その後Twitterにシームレスにつながるので関係が続きやすく、コメントもポジティブなものが多い」(赤松社長)
●“ステージ”よりもインフラに
赤松社長は、ツイキャスで人気を集めて新しいフィールドで活躍するユーザーが出てきていることを「本当にうれしいこと、好きな配信者を積極的に応援するカルチャーができている」と話す一方で、サービスとしては「特技やネタを披露する“ステージ”というより、広く一般的なインフラとして育てていきたい、身近な人と楽しんでもらいたい」という。
リリースしたばかりの「コラボキャス」は、最大4人まで招待し、複数人の映像と音声を1つの動画でまとめられる機能だ。ユーザー同士の会話をオープンに配信できるのはもちろん、親しい友人同士の会話を映像と共に丸ごと録画、保存することもできる。
「コラボCAS」はもともと、ツイキャス以外の音声やビデオ通話のサービスを利用し、複数ユーザーの会話を1つのライブ配信にまとめる形としてユーザー間で自主的に発生していた単語。ユーザー間のやりとりに頻出していたこと、「やり方を教えてください」という問い合わせも多かったことなどから、公式に実装することを決めたという。
「やっぱり、1人でしゃべって時間持たせるのって大変だし緊張するじゃないですか。友達同士でしゃべる方が気軽かなって。自分で配信もやってみたいけどなかなか勇気が出ない、という人を後押しできれば」(赤松社長)
次の目標はユーザー数1000万人――かと思いきや「このペースで成長すれば遠くないうちに超えるので、その先」と見据える先は遠い。昨年5月に6480万円の増資を受けた後、11月にも追加で1億2000万円を調達。増資は国内外での人材採用とインフラ投資にあてていく。海外ユーザーの比率を上げることを重視しつつ、粛々とモバイルのトラフィックが中心となるインフラ強化を進めていく。