
3月14日、「電子書籍の時代に対応するあらたな出版契約にむけて」と題した声明文を理事会で採択した。
声明では、これまで日本の出版文化は、出版者と著作者との強い信頼関係が支えてきたが、その反作用として、著作出版に先立った書面上の緻密な契約を交わす慣行は必ずしも定着してこなかったと指摘。その上で「あらたな契約方法と契約書のありかたを提示することが急務」としている。
同日、三田誠広副理事長は、現在、改正作業が進んでいる著作権法の「出版者の権利」と合わせて、「法律の文面が出版社側の意向に沿うものでなくても、日本文藝家協会がひな形をつくって、紙の本の版面が流出することのないように、海賊版を差し止めることができる権利が出版社に与えられる契約書を推奨していきたい」と話した。
同会は昨年11月、文芸書を出版する出版社と、新たな出版契約書のひな形の内容を協議する「21世紀の出版契約書を考える会」を設置し、協議している。
●女子小4~6年生、37%が電子書籍の閲覧経験あり(KADOKAWA)
KADOKAWA アスキー・メディアワークスと角川アスキー総合研究所はこのほど、女子小学生を対象とした「子どもライフスタイル調査2014冬」の結果を報告した。雑誌「キャラぱふぇ」添付のハガキによるアンケート方式。
電子書籍・雑誌の閲覧は女子小1~3年生の19%、同4~6年生の37%が経験あり。「経験あり」のうち、読んだことがあるジャンル別では、同4~6年生が順に「コミックス・マンガ」(69%)、「マンガ雑誌」(52%)、「小説」(37%)。同1~3年生では「コミックス・マンガ」(55%)、「絵本・童話」(43%)の順だった。読んだことがない子どものうち、今後、電子書籍を読んでみたいと回答したのは同1~3年生で40%、同4~6年生で38%だった。
集計サンプルは女子小学生の1~3年生が395件、4~6年生が146件。
●KADOKAWA、海外にサブカルチャースクール開校へ
3月11日、KADOKAWAの角川歴彦会長が、東京大学大学院情報学環が開設した「角川文化振興財団メディア・コンテンツ研究寄付講座」の開設記念シンポジウム内で発表した。
スクールは、サブカルチャー文化の担い手を養成する目的から、マンガ、アニメ、CG制作などを指導。海外諸国の文化と交流し、その国独自のサブカルチャー文化育成を図る。
すでに台湾とシンガポールには開校が決定しており、アジアで10校、さらにオーストラリア、ドバイなどに広げていく。角川会長は「(開校することで)日本の文化を理解する人を5万人、世に送り出したい」と話した。
●大阪屋、取引書店164店で「本屋フェス」開催へ
3月下旬から5月下旬にかけて、店頭を活性化する施策として行う。消費増税による影響を鑑みて、「書店に来れば楽しいことがある!」をコンセプトにさまざまな催しを企画し、集客と増売に努める。協賛出版社93社となった。
参加する書店では、景品が当たる抽選会や雑誌の定期購読キャンペーンほか、大阪屋が独自につくった「雑誌発売カレンダー」を配布。雑誌25誌を対象にして定期的に購入する雑誌銘柄など聞く、アンケート式のイベント企画「雑誌総選挙」、店頭装飾コンクールも実施する。
[新文化通信社]
古河電気工業(古河電工)は、光ファイバ網で給電し、電源ケーブル不要で画像が送信できるシステムを開発しました。まずは官公庁の災害対策用に展開、すでに一部の地方自治体とは実証実験を行っています。その後産業用などに広げていく計画です。
古河電工、光ファイバで給電できる『光給電』災害用カメラ。電源ケーブルなし、10km先に伝送
監視カメラの映像を送る場合、映像を送るための光ファイバケーブルと電源ケーブルが必要です。映像品質を下げれば通信網を利用して映像が送信できますが、カメラ側にバッテリーが必要で、永続的に映像は遅れません。
このほかシステム構築時には、電源設備や画像伝送設備が必要。災害時に停電や落雷、断線などさまざまな自然災害の影響を受ける可能性があります。
古河電工が「世界初」とうたう新開発の映像配信システムは、2本の光ファイバ網を利用して、1本を給電用の光ケーブル、もう1本を映像送信用に使うものです。光ケーブル自体はFTTHの宅内引き込み線などに使われるSM型。通常の電源ケーブルと異なり75mWと低出力ですが、10km先の遠隔地に画像が送信できるとしています。伝送損失は3dB。
光ファイバでシステムを組めば、監視ポイントに電源設備や画像送信設備を設置することなく、遠隔地から制御可能。古河電工では、災害時に停電や落雷などの影響を受けにくいとしています。
なお、提供する画像システムは光ファイバを2本使いますが、光ファイバは利用する波長を分けることで、1本で別の光を送信可能です。古河電工の広報部では、「使う波長を分けることで、技術的には1本の光ファイバで実現できます」と話しています。
また、既存の監視システムと併用し、通常は大きな電力が使える電力ケーブルのシステムを利用し、災害時など緊急の場合に光給電システムに切り替える、そんな使い方にも期待が持てそうです。
古河電工では、すでにとある地方自治体の実証実験を行っています。防災活動に積極的に取り組む官公庁に売り込み、その後、産業用などに広げていく計画。2015年度の売上目標は1億円。
3月12日、第5回 国際自動車通信技術展(ATTT)に合わせてATTTアワード発表会・授賞式が会場内ステージで執り行われた。受賞した各企業の代表者が喜びを語った。選考委員による選評と、選考委員長の夏野剛氏による総評も合わせてお届けする。
[関連写真]
●先進安全・環境技術部門:ボルボ V40 歩行者用エアバッグ
ボルボカージャパン 広報室 赤堀淳氏
「(2009年の)『XC60』発売時に「シティセーフティ」と呼ばれる自動ブレーキを国産メーカーに先駆けて搭載し、第1回のATTTアワードをいただいたのは記憶に新しいところ。以後、クルマに乗っている人を保護する技術は開発されてきたが、歩行者を保護する技術は大きな進化がなかった。歩行者用エアバッグは、不運にも人を轢いてしまった際に、Aピラーのワイパー付け根部分に設置されたエアバッグが開いて歩行者へのダメージを和らげるもの。数年後あるいは10数年後にこの技術が色んなクルマに搭載されて、ひとりでも多くの人命を救うことができれば嬉しい」
選評 岩貞るみ子氏(モータージャーナリスト)
「電波やカメラを使った予防安全は開発が進んでいるが、クルマの外にいる人の被害をいかに軽減するかが、とくに今の日本においては重要だと思う。私が特に評価をしたのは、このような先進的な安全技術を一番高いクルマに投入するのではなく、ボルボのラインナップのなかでも一番手が届きやすいクルマ(V40)に搭載したこと。本気で歩行者を守りたいという意気込みを感じた」
●ビジネスソリューション部門:トヨタ自動車 次世代e-CRB
トヨタ自動車 流通情報改善室 北明健一氏
「e-CRBは直接お客様に提供するサービスではないが、“お客様の笑顔のために”という部分でどういうサービスをディーラーに仕組んで提供するかという志で販売店とともに開発を進めてきた。今後もいっそうお客様の笑顔が輝くようなサービスを提供したい」
選評 西田宗千佳氏(ジャーナリスト)
「自動車販売店において、購入からアフターまで顧客との接点をいかに改善していくかは重要だ。中国の広汽トヨタで展開しているe-CRBは、お客様を待たせないために、無駄な作業を低減することを目的として時間や場所の使い方をゼロから考え直したもので、メーカーと販売店が一体になって価値を提供しているのがポイント。お客様とのタッチポイントの改善という点でも、今後も期待して見ていきたい」
●UI/UIデザイン部門
該当なし
選評 林信行氏(ジャーナリスト)
「モビリティのUIは大きく変わりつつある。この部門への応募はいくつかあったが、数年後にATTTアワードを振り返って思い出せる(インパクトの)強さがあるかといわれると、それに値するものなかったというのが正直なところ。該当なしという結果になったのは過渡期という状況もあるのかもしれない。残念な結果と捉えずに、エンジニアリングとデザインを一緒に考えていく機会になれば。UIは日本企業の強みと思うので、来年に向けて取り組んでほしい」
●ナビゲーション&クラウドサービス部門:スマートバリュー CiEMS Navi
スマートバリュー ビジネスソリューション ディビジョン 上野真氏
「CiEMS NAVIは、主に法人の白ナンバー業務用車両向けにOBDコネクタでスマートフォンと連携して、エコ運転・安全運転を支援するナビゲーションシステム。当社ではInnovation for Justiceというスローガンを掲げているが、このサービスに関しては、カーナビのソフト化だけではなく、悲しい事件がなくなってもらえればと思って開発した」
選評 園部修氏(ITガジェット統括部長)
「CiEMS NAVIは、非常に低価格であること、そして機能的には充足されたものであるということが大きかった。テレマと聞くと大仰で大規模なシステム、そして導入費用が高いというイメージがあるが本サービスは導入のハードルがすごく低い。この部分を評価した」
●コンテンツアプリ部門:クロスフェーダー/ゼンリンデータコム 漫画ドライブ
クロスフェーダー 代表取締役 田中剛氏
「このアプリはクルマの安全運転と走行距離を競うもの。試行錯誤ばかりで開発はなかなか進まなかったのだが、こうして世に出すことができ、そして受賞することができて嬉しい」
ゼンリンデータコム 企画本部 新規サービス推進室 篠原啓氏
「漫画ドライブは同業者もドライバーも楽しめるようなアプリを目指した。これからももっと楽しめるようなアプリを開発したい」
石井寛子氏(アプリソムリエ)
「GPSやカメラを使ったARといったスマホの機能も随所に取り込みながらも、楽しめるアプリ。ARがエンタメ性をもっともっと増していくということを体現しているアプリなんだな、と思う。ドライブ行くときは助手席で運転手気分を味わいながら楽しんでいる。映像を見て楽しだけでなくて、急停止の時などは“危険です”と警告を出すなど、運転が上手くなるような機能が盛り込まれていることもユニーク」
●プロダクト&ハードウェア部門:ビー・エム・ダブリュー BMWコネクテッドドライブ
BMW マーケティングディビジョン 田島崇氏
「BMWコネクテッドドライブは2013年の11月から日本でも本格的にサービスを開始した。車載の通信を活用して情報やエンターテインメントを提供するもので、BMWの“駆け抜ける歓び”をさらに広げてくれるサービスであると考えている。この春登場するBMW 「i」シリーズにとってもコネクテッドドライブはなくてはならない存在。日本ではスタートしたばかりだが、ニーズを的確に捉えて、より良いサービスに進化させていきたい」
選評 神尾寿氏(IT・自動車ジャーナリスト)
「最近は、輸入車でも先進の技術やサービスが日本市場にも分け隔てなく投入されている。今回、BMWコネクテッドドライブを選出したのは、もともと海外では蓄積のあったスマートフォン連携や通信モジュール付きの車載器など、先端機能を日本でも一般の方々が購入できる形で試せること。また(BMWコネクテッドドライブと連携する)スマホアプリの出来も良く、ユーザーに分かりやすい利便がある。テレマティクスというと日本メーカーが先導して牽引してきたが、グローバルなトレンドを日本にも持ち込んでBMWならではの魅力になっている」
●防災ソリューション部門:本田技研工業 ホワイトアウト予測情報
本田技研工業 グローバルテレマティクス部 益田卓朗氏
「開発のきっかけは、昨年の冬、北海道で猛吹雪のためにクルマのなかで亡くなられた方がいたこと。北海道の関係者との間で、“ホワイトアウトに困っている。何とかできないか”という話が持ち上がった。そこで日本気象協会から情報をのご協力をいただいて1月15日からサービスを開始した。大雪や吹雪は家にいるときは安全でも、移動するときこそ危ない。この機能は今のところ北海道限定だが、今後も皆様に安心安全に使っていただけるようにしたい」
選評 遠藤諭氏(角川アスキー総合研究所 主席研究員)
「私は新潟の出身なので、クルマのカルチャーは雪のある所とそうでない所で大きな違いがあるということを実感している。今回のホワイトアウト予測情報では、ホワイトアウトのコーション(警告)が出たり、あるいは家族にメールが行ったりする機能がある。こうしたサービスはこれから色んな広がり方をする可能性を秘めているし、スマホでクルマの世界が大きく変わるヒントを教えてくれている」
●最優秀賞:本田技研工業 SAFETY MAP
本田技研工業 日本営業本部営業開発室長兼インターナビ事業室長 清水保匡氏
「このSAFETY MAPはクルマやバイクだけでなく、自転車や歩行者にも提供している。インターナビの走行データから、急ブレーキ情報、警察の事故情報、NPO法人の方々が投稿できるかたちとして事故の起こりやすいポイントを可視化した。事故を削減したいと願う多くの皆様のおかげでサービスが成り立っており、埼玉県では事故対策などにも活用いただいている」
選評 三浦和也(レスポンス編集長)
「スピードを出して走っている場所が、スマホで手軽に分かる。地域住民が投稿のような形で地図上にデータをどんどん上げており、Google ストリートビューの映像付きでアラートを出す見せ方が秀逸だ。自社のプローブだけでなく、警察そして地域住民からの投稿などの声を持ち寄ったことでサービス開始から約1年という短期間でデータが蓄積でき、“見ると楽しい危険マップ”になっている。データの作成に参加している住民の皆さんも受賞に値すると思う」
●総評 夏野剛氏
「今年受賞されたサービス・製品はいわば“ネットが溶けている”ものが多かった。スマホの登場で、いろんなコンソール業界がネットに本格的に溶け込むようになった。自動車業界は早くからネットの良さを製品・サービスに取り込んできたが、今回はそれが特に顕著。ただ、UI/UIデザイン部門が該当なしに終わったのはちょっと残念。中身さえあれば付加価値を付けて売れるという風潮がまだあるのかな、と感じた。今後はUIの大切さがますます重要視されるはず。今後の関係者の取り組みが大きな成果をもたらしてくれることを祈念している」
《レスポンス 北島友和》