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なぜMicrosoftはWindowsを一部無償化したのか - newssabandon

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2026.01.28|コメント(-)トラックバック(-)

なぜMicrosoftはWindowsを一部無償化したのか


●Nokia買収の裏に隠された思惑 その1
米MicrosoftのWindows OSの一部無償化は、同社の戦略を大きく転換するものとなる。OSの一部無償化でMicrosoftは何を狙うのか。どのような意味を持つのだろうか。ライター海上忍氏に記してもらった。

* * *

Windowsが条件付きで無償化される。無償提供の対象はOEMとODM、デバイスは画面が9インチ未満のスマートフォンとタブレットに限定されるということは、先行するAppleやGoogleへの挑戦状と受け取っていいはず。遅きに失した、という厳しい意見も聞こえてきそうだが、市場にさらなるイノベーションと競争を促すプレイヤーの「本気」は評価されるべきだ。

この決定が下された時期は不明だが、Windowsという巨大プロダクト群を抱える事業部門はもちろんのこと、Officeなど関連製品をも含む全社横断的な決定であることは確かだろう。数日前に「Office for iPad」の無償配布を開始したばかりだが、Office for iPadの件はサンフランシスコで開幕する「Macworld / iWorld」にタイミングを合わせたと考えるべきで、日数を空けて発表することで宣伝効果アップを狙ったに過ぎない。

無償化という決断には、当然ナデラ新CEOの意思も反映されているはずだが、就任から2カ月弱という日の浅さからすると、決断自体はバルマー前CEOのときに固まっていたと推測される。ナデラ体制に変わり加速した可能性はあるにせよ、アプリ「Office for iPad」の開発が一朝一夕には終わらないことを思えば、水面下で準備は着々と進められていたと考えるのが妥当だ。つまり、既定路線だったといえる。

●Nokia買収の裏に隠された思惑 その2
そう考えると、2013年9月に発表されたNokia買収も説明がつく。2013年のOS別スマートフォンシェア(Strategy Analytics調べ)におけるMicrosoftが占める割合はわずか3.6%、Nokiaの買収によりMicrosoftは携帯電話/スマートフォンの設計チームと生産設備、マーケティング部門や販売網を掌中に収めたわけだが、先行するiOSとAndroidはOSを実質無償提供している。その半ば寡占化された市場へ割って入るには、OSの無償化ですら十分とはいえないが、Nokiaのリソースを生かせばスタートラインに立つことはできる。それだけのシェアだから売上高の減少幅も知れている、という割り切りがあったのかもしれない。

一方、デスクトップOSにおけるMicrosoftのシェアは変わらず高く、Windows全バージョンを合計すると9割にも達する。Microsoftの売上はコマーシャル部門(企業向けのサーバやクラウドサービス)とデバイス&コンシューマ部門(一般消費者向けWindowsおよびOffice、Xboxや各種オンラインサービス)が二本柱だが、コマーシャル部門の好調はWindowsの圧倒的シェアに支えられているところが大きい。未開拓の分野を攻めつつ、デバイスとサービスから成るビジネス体系に移行するまでWindowsのライセンスビジネスを守ることが、暗に求められているだろうことは想像に難くない。

○注目の「Universal Windows Apps」

Office for iPad発表の席でナデラ新CEOが言及した言葉に「A Cloud for Everyone on every device」がある。邦訳すれば「クラウドをあらゆるデバイスですべての人に」となるが、そこには新体制Microsoftの目指す方向性が込められている。そしてその方向性は、Windowsの一部無償化とあわせて発表された「Universal Windows Apps」と密接な関係がある。

●Windows OSの一部無償化の評価
Universal Windows Apps(以下、ユニバーサルアプリ)は、Windows 8.1向けアプリとWindows Phone 8.1向けアプリで共通のランタイムを採用することにより実現。統合開発環境にはVisual Studios 2013が用意され、開発言語にはC#とC++、JavaScript/HTML5を使用できる。一種のクロス開発環境であり、PCやタブレット、スマートフォンなど複数のデバイスに最適化されたアプリを一気通貫に開発できることがメリットだ。

この仕組みはiOSとOS Xの関係と少し似ているが、根本的な部分で異なる。前述したとおり、ユニバーサルアプリは共通のランタイムを使用するため、プラットフォームごとに異なるプロジェクトを用意してコードを書き分ける必要がないのだ。すべてとはいかずとも(実際にはいろいろありそうだ)、コードの大半を共有できることのメリットは大きい。Microsoftはユニバーサルアプリの機構をXbox OneやWindows for IoT(Internet of Things)にまで広げる意向を示しており、そうなれば「クラウドをあらゆるデバイスですべての人に」の実現に大きく貢献することになる。

Microsoftが下した「Windows OSの一部無償化」という決断は、今後コンピューティングにおける裾野の部分を担うスマートフォン/タブレットに確たる地歩を築く、という狙いに一定の効果をもたらしそうだ。まずは端末とユーザを増やす必要があるが、その際は買収を完了したNokiaのリソースが生きてくる。魅力的な端末を提供できるかどうかも含め、無償化後第一弾となるWindows Phoneの発表を待ちたい。

(海上忍)

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2014.04.06|コメント(-)トラックバック(-)
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