シャープが、自由な形で製造できる液晶パネル「フリーフォームディスプレイ」を発表しました。自動車のインスツルメントパネルのような四角形ではない情報表示スペースなどへの応用を想定しています。フリーフォームディスプレイは、シャープの液晶パネル IGZO の技術に加え、回路設計を工夫することで四角形だけでなく自由な形での製造が可能です。
フリーフォームディスプレイでは、従来は液晶のベゼル部分にあった液晶素子のオン/オフをする回路(ゲートドライバー)を、液晶表示領域内に分散して配置しています。これにより一列に並んでいたドライバーを自由な位置に置けるようになり、四角形のうち3辺はベゼルをほとんど無くすことができるようになりました。その結果、かなり自由な形状で液晶パネルの製造が可能となっています。
シャープ、四角くない液晶「フリーフォームディスプレイ」発表。IGZO技術と独自設計を応用
シャープはまず、自動車のインスツルメントパネルやセンターディスプレイへの適用を考えているとのこと。ハイブリッドカーなどの普及にともない燃費やエコドライビング情報など表示すべき情報は増加しており、UI設計の自由度が高い液晶パネルなら、専用の表示器で表示していた情報もまとめることができそうです。なお、4月にはジャパンディスプレイも車載向けの六角形ディスプレイを発表していました。
その他の用途として考えられるのは、ウェアラブルなデバイス。Motorola の Moto 360 のような丸いスマートウォッチだけでなく、5角形やハート型といったものも作れそうです。 もしかすると、数年後には「iCarly」など、ニコロデオン製作のコメディドラマに登場する Pear Phone や Pear Pad のようなデバイスも普通に買えるようになるのかもしれません。