
桜の花びらをiPhoneで撮った写真が日本中にあふれかえる時機の到来である。そこで、iPhoneで桜の花びらをピシッと撮る方法をご紹介。あと、iOS7.1で強化されたカメラ機能についても解説する。
【荻窪圭のiPhoneカメラ講座:桜の花びらをピシッと撮る方法】
今回の掲載日、3月25日はくしくも都内で桜の開花日が観測された日。すでに開花している地域もあるのだけれど、桜の花びらをiPhoneで撮った写真が日本中にあふれかえる時機の到来である。それはすばらしい。だがしかし、ちゃんと花びらにピントがあってますか、と。
どういうときにこうなるか
・メインの被写体が小さい
・メインの被写体より背景の方がくっきりしてる
・メインの被写体より背景の方が明るい
の3条件。実はコレ、普通のデジカメでもしばしば発生する。
iPhoneカメラのオートフォーカスは「コントラスト検出方式」といって、コントラストが高いくっきりしたところにピントを合わせようとする。上のケースだと、陽射しが当たってない花びらより後ろの枝の方がくっきりしてるのでそっちにピントが合ってしまいがちなのである。
そんなときどうするか。花をアップで撮るのを諦めるか。いやいやそれはもったいない。そこでお手軽で有効な技をひとつ。自分の手のひらを使うのだ。
まず左手(あなたが右手でiPhoneを操作するならね)を伸ばして、花の横に手のひらを手前に向けて置く。そしてiPhoneを持つ手の指先で画面を長押しして(片手でそれをやるのは大変だけどがんばる)、そこでAF/AEロックをする。
そうすると、手のひらは花よりでかいので、そこにピントが合ってくれるのだ。手のひらにピントを合わせて固定するのである。そして手のひらをはずして、AF/AEロックになってることを確認して撮る。
無事撮れました。
明るめに撮りたかったので、手のひらの影になってるとこでAE/AFロックをかけております。
これはオオカンザクラというちょっと早めに咲くピンク色の桜。
ちなみに、順光で陽射しがあたってれば(つまりくっきりしてれば)、こんな技を使わなくてもピントは合います。うまく使い分けを。
まあ、花に限らず、数10cmの近距離の小さめの被写体にピントがうまく合わないとき、自分の手のひらを使うってのはけっこう使えるのでお試しあれ。
今回はもう1つ。2014年3月、iOS7.1がでた。単にOSがアップデートしただけなら他の記事におまかせすればいいんだけど、カメラ機能も強化されたのだ。といっても、2箇所だけなのでねっちりと。
●iOS7.1でHDR機能がより使いやすくなった!
まずはHDR機能をおさらい。
iPhone(に限らず、デジカメはみなそうなんだが)で写真を撮ってると、背景は青空だったのに真っ白になっちゃったとか、日陰が真っ黒に写っちゃったという経験があるはずで、それは「カメラが一度にとらえることのできる明暗差」を越えちゃったからだ。
この状態になると白い部分が真っ白にトんじゃったり、影の部分が真っ黒にツブれちゃったりする。これはもうしょうがない。広い明暗差に耐えられるカメラを搭載しようと思ったら、何倍にもでかく高価になっちゃう。
それを解消する機能として考え出されたのが「HDR」(ハイダイナミックレンジ)機能。これをオンにしておくと「明るい/普通/暗い」と3枚を連写して、それぞれのおいしいとこを合成して白飛びと黒つぶれをなくした写真を作ってくれる。
わかりやすい例をひとつ。
軒下の日陰になってるとこと、空に枝が溶け込んでいるところ、それに屋根の雪あたりに注目。
HDRをオンにすると暗すぎるところがすこし持ち上がり、明るすぎるところが少し抑えられて、両方とも救われたのである。
これはありがたい機能なのだが、ふたつ欠点があった。
ひとつめは合成失敗の可能性があること。3枚連写してる最中に被写体が動いちゃったら……例えば桜の花びらを撮る瞬間、風がふいちゃったらどうなるか。
こうなっちゃうのだ。
分かりやすいように合成が上手にいかなかった部分を等倍表示してみた。ちょっとした風で、合成がうまくいかなくて2重になっちゃったのである。風が吹いちゃったものはしょうがない。
ではどうするか。ありがたいことに「HDRしてない写真」も残っているのだ。HDRで撮影したときは、HDRせずに普通に撮った写真と、HDRした写真の2枚を記録してくれるのである。あとから好きな方を使えばいい。
「設定」の「写真とカメラ」の中で「通常の写真を残す」をオンにすればよし。なってない人は確認のこと。
ふたつめの欠点は「自分でHDRをオンにしないと」ダメなこと。自分でオンにすべきか判断するのはめんどくさいし(そういうのはiPhoneっぽくない)、毎回オンにしてると2枚ずつ撮ることになってそれはそれでどうかという感じだ。
で、ここからが本題なんだけど、iOS7.1ではそれを解消すべく、「HDR自動」モードがついたのである。HDRにするかしないかをiPhoneが判断してくれるのだ。
やり方は簡単。カメラ画面の中央上部にある「HDR」のとこをタップして「HDR自動」にしてやるのである。
HDR自動にしておくと明暗差が極端な構図になったときだけ、自動的にHDRがオンになり、画面下に「HDR」と表示される。
これは素晴らしい。
自動的にHDRオンとオフの2枚が記録されるのは変わらないので、好きな方を使えばよし。好きじゃない方はほっとくなり手作業で消すなりしてください。
よって、iOS7.1にしたら、まっさきに「HDR自動」にするべし。
ついでにもう1枚。横位置編を。
背景が復活してとてもよいのであるが、これらを見ると分かるように、iOSのHDRは暗いところを持ち上げるよりは、明るすぎるところの白飛びを抑える方に重点を置いているので、もうちょっと明るめにしてほしいかなということはある。特に顔。
デジカメやスマホ界では「顔を検出したら、顔が明るく写るよう自動的に調整する」のがトレンドなので、次のバージョンではそうなるかもしれません。
●iOS7.1で連写した写真もまるごとフォトストリームに
もうひとつはフォトストリーム関連。
えっと、設定の「写真とカメラ」で「自分のフォトストリーム」をオンにしているという前提でお話しします。
iPhoneで撮った写真(動画を除く)は、Wi-Fi環境下にくると、自動的に勝手にこっそりと静かにインターネットを介してiCloudにアップロードされる。これをフォトストリーム機能という。
iCloudでは最大1000枚まで保管していてくれる。
「自動的にクラウドに写真をバックアップしてくれる」ってことなのだ。
「自分の」ってついてるところがミソで、例えばわたしはiPhone5sとiPad Airを持ってる。すると「自分のフォトストリーム」にiPhoneで撮った写真もiPadで撮った写真もアップロードされて入っていくのだ。
自分のフォトストリームには自分のiPhone、iPad、パソコンから見ることができる(というか、自動的にダウンロードされる)ので、iPhoneで撮った写真をiPadから見たり開いたりできるわけである。
「自分の」っていいかたはちょっと曖昧なんだけど、要するに「同じAppleIDでログインしてる機器」のこと。これの何がうれしいかというと、iPhoneとiPadの2台持ちしてる人は画面がでかいiPadで写真を編集できるってのもあるけれども、主な用途はパソコンへのバックアップである。
iPhoneで撮った写真はパソコンにバックアップしておきたい。iPhoneで撮った写真をパソコン上でいじりたい(ブログにはりつけるとか、家でゆっくりFacebookにアップロードするとか、プリントするとか)。
そういうとき、パソコンを立ち上げると(Macの場合は、iPhotoかApertureを起動したとき)、自動的にフォトストリームにある写真がパソコンにダウンロードされるのである。これは便利。
自動的にiPhoneで撮った写真がパソコンにバックアップされるのだ。iPhoneで撮った写真をiPhone以外から自由に使えるってことだから。この原稿もフォトストリームのおかげで、作業が格段に楽になっております。
で、iOS7が出たときにひとつややこしい事象が発生した。
高速連写機能(バーストモード)である。iPhoneで連写した写真は、「お気に入りにしたもの」だけがフォトストリームに上がってたのである。
それはそれでいいんだけど、バックアップという観点ではちょっと不便。撮った写真はとりあえず全部パソコンにバックアップしときたいというニーズもあった。
でそれができるようになったのだ。
設定の「写真とカメラ」に「バーストの写真をアップロード」というスイッチがついたのである。これをオンにすると撮った写真全部がアップロードされる。
このオンオフは慎重に。連写をよく使う人は、連写写真全部がアップロードされちゃうってことだから、ものすごい枚数になっちゃうからだ。
[荻窪圭,ITmedia]