
春といえば物欲の季節! えっ、年中ですって……!? ともかく今回はMacの作業環境を快適にしてくれる外付けディスプレイの中から、超高解像度タイプを2製品テストしてみました。
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1つ前の記事は、「MacBook Airで使いたい!! 自宅&モバイルを快適にする10のアクセサリー」というネタで書いたが、人間誰しもネットでハードやソフトを調べていると、物欲がムクムクとわき上がってきて抑えらないもの(ですよね?)。自分で提案しておいて何もアクションをとらないのはアレなので、今回は液晶ディスプレイに注目。1万円台から買える1920×1080ピクセルの「フルHD」モデル……ではなく、より広いデスクトップが使える超高解像度タイプを攻めてみました。
●フルHDの「普通」に満足できないアナタに……
今、PCを選ぶにあたって、画面解像度はきっちりこだわりたい要素の1つだろう。
近年、スマートフォンやタブレットが普及してきたことにより、Webサイトの閲覧やメッセージでのやり取りといった軽度な作業は、PCを使わずに済ませられるようになった。そんな状況においても、何かを作る用途においては、PCが優位性を保っている。ソフト間でデータを行き来させたり、内容を比較しながら情報を整理していく──画面解像度が高ければ、そのぶんだけ同時に開いておけるウィンドウが増え、作業効率のアップが期待できる。
しかもOS Xは、最新の10.9「Mavericks」になって、マルチディスプレイ関連の機能を改善した。ノート型Macでも、外付けディスプレイを加えることで、会社や自宅ではデスクトップPCのように快適な大画面で作業し、外にも持ち運べるという作業環境を構築できるわけだ。
液晶ディスプレイを買うなら、安価なフルHDタイプを1、2枚買ってきて並べるのが安上がりだが、このところ4K対応などフルHDを超える解像度の製品が手の届く価格帯に下りてきている。気になっている読者の方も多いことだろう。
ということで、LGエレクトロニクス・ジャパンの34型/3440×1440ピクセル「34UM95-P」と、デルの23.8型/3840×2160ピクセル「UP2414Q」という2モデルを用意し、15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル(Late 2013)と、13インチMacBook Air(Mid 2013)につないで、Macにおける“フルHD超え”の使い勝手をチェックしてみた。OSはOS X 10.9.2だ。
●1枚の画面でデュアルやトリプルな感覚
まずは接続から。テスト機である13インチMacBook Airと15インチMacBook Pro Retinaは、どちらもThunderbolt端子にケーブルをさして外付けディスプレイと接続する。さらに15インチMacBook Pro Retinaでは、HDMI端子も利用可能だ。とりあえず、LGの34UM95-Pは手持ちのThunderboltケーブル、デルのUP2414Qはディスプレイに付属してきたDisplayPort/Mini DisplayPortケーブルで接続してみた。
念のため説明しておくと、ThunderboltはMini DisplayPortと端子の形状が同じで互換性もある。Mini DisplayPortは、DisplayPortの端子が小さい版なので、最近のMacでは基本的にThunderbolt/Mini DisplayPort/DisplayPortのビデオ入力を備えたディスプレイを買えば、ケーブル1本で接続できることになる。DVIやアナログRGBといった端子は、アダプタを介して接続する。
気になっていたのは、そもそも出力できるのかという問題だった。技術仕様によれば、13インチMacBook Airは「本体ディスプレイで標準解像度、外部ディスプレイで最大2560×1600ピクセル表示を同時サポート」、15インチMacBook Pro Retinaは「本体ディスプレイで標準解像度、最大2台の外部ディスプレイで最大2560×1600ピクセル表示を同時サポート」となっている。
とりあえずものは試しということでつないでみたところ、MacBook Pro Retinaは問題なく出力できたが、MacBook Airは2機種とも表示が乱れてしまった。解像度を落とせばちらつきはなくなるが、それではこのディスプレイを選ぶ意味があまりない……。というわけで、ここからはMacBook Pro Retinaでテストを進めていく。
第一印象は、ものすごく月並みだが、ともに「広っ! そして細かっ!」というもの。アップル純正製品では、27インチのiMacや、同じく27インチの「Thunderbolt Display」が2560×1440ピクセルと高解像度だが、これらはディスプレイ本体も大きい。
一方、今回試した2モデルは、既存の24型液晶とほとんど本体の高さが変わらないにもかかわらず、表示の細かさがグッと上がっている。LGのほうは21:9という超横長なので、画面の対角線の長さでサイズをはかると34型と大きいものの、実際は同程度の液晶テレビより圧迫感が少ない。
●デル「UP2414Q」の画素ピッチは少し細かすぎるかもしれない
実際に使っていくと両者の印象は大きく変わってくる。デルのほうが精細すぎて、文字が読みづらいのだ。
ディスプレイは、サイズが大きくなるに従って、全体を見渡せるように画面と目の距離を離すのが一般的だ。視力がコンタクトをつけて1.0という筆者の場合、15インチMacBook Pro Retinaの内蔵ディスプレイでは40センチほど離して見ているが、デスクに置いた24型クラスの液晶ディスプレイでは70センチぐらいがちょうどいいと感じる。このデスク上の距離において、LGの34UM95-Pは普通に文字が読めたが、デルのUP2414Qは顔を近づけないとツライ。
画素ピッチで見ると、LGの34UM95-Pは0.2325ミリ/約110ppi、デルのUP2414Qは0.137ミリ/約185ppiだ。同じデスクに据え置きで使いそうなディスプレイで見てみると、24型でフルHDの一般的なディスプレイなら0.277ミリ/約92ppi、27インチのiMacなら0.233ミリ/約109ppiなので、デルの数値がいかに突出しているかが分かる。15インチMacBook Pro RetinaでRetina表示を解除したとき(0.086ミリ/約294ppi)の「細かすぎるだろこれ(笑)」というインパクトに近い。
Windows 8では、デスクトップの文字サイズだけ調整できるため、この細かさでも使えるが、我らがOS X 10.9.2は今のところ同等の機能は備えていないので打つ手がない。
もう1点、デルのUP2414Qは、15インチMacBook Pro Retinaではリフレッシュレートが30Hz以下になってしまう。リフレッシュレートは、画面を1秒間に何回書き換えるかという数値で、高ければ高いほど滑らかな表示ができる。実際、原稿作成や写真編集がメインの筆者の用途では30Hzでも特に不満は感じなかったが、ネットを調べると気にしている方も多いようだ。こちらのレビュー記事にもあるように、デルのUP2414Qは60Hzで表示するためにいくつかの手順を踏む必要がある。
と、ここまで来てよくよく調べてみると、そもそも15インチMacBook Pro Retinaの場合は、
とアップルのサポートページで宣言されていた。ギャー! DisplayPortで接続して使えていたのは、サポート対象外だったのね……とHDMIでつなぎ直してみたが、当然のごとく60Hzは選べるわけがなし。
強引になんとかならないかと、DisplayPortケーブルにつなぎ直し、解像度やリフレッシュレートを調節できるシェアウェア「SwitchResX」をインストールして、3840×2160ピクセル/60Hzを選んでみたものの、表示の一部が乱れたうえ、さらに元の解像度に戻せなくなるというひどい仕打ちにあった。この辺、Mac Proなら変わってくるのかもしれないが、今のところ15インチMacBook Pro Retinaではいろいろと制限がある。
●OS X 10.9.2ではHiDPI表示ができない?
もう1つ気になったのは、デルのUP2414QをRetina表示にできないかということ。OS X 10.7「Lion」の時代には、開発ツールの「Xcode」に含まれている「Quartz Debug」で「HiDPI」をオンにすると、通常のディスプレイでもRetina表示にできるという小技があった。
インターネットを検索すると、今年の1、2月ぐらいまではオンラインウェアを使ってデルのUP2414QでHiDPI表示が実現できていたようだ。しかし、筆者の15インチMacBook Pro Retina(Late 2013)/OS X 10.9.2では、接続する端子やシェアウェアを変えて検証してみても、どうにもうまく動作しない。
一部では、2月末に登場したOS X 10.9.2にアップデートしたことでディスプレイ関連の不具合も起こってるようなので、OSのバージョンが古ければいけるかもしれないと、手元にあった初代15インチMacBook Pro Retina(Mid 2012)を初期化し、OS X 10.8.5に戻して、解像度を変更できる「QuickRes」というシェアウェアでHiDPIを試してみたところ、晴れて実現できた(さらっと書いてますが、ここにたどり着くまでが長かった……)。
MacBook Pro Retinaで利用する超解像度外付けディスプレイというくくりで、今回用意した2機種のディスプレイを比較すると、LG「34UM95-P」のほうがいろいろな意味で実用的と感じ、一方のデル「UP2414Q」は、今後のOS Xの対応に期待したいという結論になった。アップル自体が4K対応の「Thunderbolt Display」を出すのではといった(期待まじりの?)予想もあるので、もう少し待てば状況が大きく変わってくるのかもしれない。
[広田稔,ITmedia]