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ハイレゾ再生の新しい潮流 - newssabandon

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2026.01.29|コメント(-)トラックバック(-)

ハイレゾ再生の新しい潮流


“ハイレゾ”が新世代オーディオのキーワードとなり、音楽ジャンルの幅も広がってきた。また、同時に注目したいのが対応機器の充実ぶり。PCオーディオの登場以来、世代を重ね、参入メーカーも増え、機能や製品の幅が広がりつつある。AV評論家・麻倉怜士氏による連載「デジタル閻魔帳」。今回は新しい切り口の最新ハイレゾ再生機器を紹介してもらおう。

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――「ハイレゾ」という言葉もかなり定着してきましたね

麻倉氏: そうですね。先日も、ある出版社の方が新しいムックの打ち合わせに来ましたが、今回は「ハイレゾオーディオ」をタイトルに使って完全ガイド本を作るということしでした。これまでも「PCオーディオ」や「ネットワークオーディオ」というキーワードを使った本は多くありましたが、「ハイレゾオーディオ」を全面に出したガイド本は初めてだそうです。ここにきて「ハイレゾ」という言葉が浸透してきたことを実感しています。

 きっかけは、やはり昨年秋にソニーが行った“ハイレゾ宣言”です。ウォークマンからコンポーネントオーディオ、moraまで一気に対応を進めました。また昨年秋にはアニメソングのハイレゾ配信も始まり、若い人が好むポップス系の配信が増えてきました。

 最新(3月中旬)のe-onkyo musicのダウンロード数ベストテンを見ると面白いですよ。1位が宇多田ヒカルの「First Love」、2位と3位はクラシックですが、4位は、すーぱーそに子の「すぱそにっ」です。昨年まではクラシックやジャズが多くて過去の名演奏が人気だったのに、こんな感じですっかり様変わりしています。

――確かに時代は変わりました。麻倉さんの口から「すーぱーそに子」……

麻倉氏: アニメソングですよね。それはともかく、2000年以降、長期低迷を続けてきオーディオにも、いよいよ新しい時代の幕が開けたといって良いでしょう。ソニーのハイレゾウォークマンも人気ですし、今年は注目すべき製品がたくさん出てきました。そこで今回は、私が注目しているハイレゾ関連製品をピックアップしたいと思います。

●一体型とは思えないハイレゾスピーカー、ソニー「SRS-X9」

麻倉氏: ハイレゾの新しい再現形態として、アンプ一体型スピーカーがソニーから登場しました。先日、ワイヤレススピーカーの最上位モデル「SRS-X9」を聴く機会がありましたが、驚くほど高音質でした。もちろん、一体型スピーカーの範疇(はんちゅう)で、という意味ですが。

 これまでの一体型スピーカーは、iPod用のドックスピーカーなどに見られるように、圧縮音源を派手に聴かせるドンシャリ型の音作りで、それなりに見栄え良く聴かせるケースがほとんどでした。しかし、「SRS-X9」は正当派でかつ本格的。ドンシャリや輪郭強調といった“お化粧”は全くない、言ってみれば「コンポーネントオーディオの音を小さな筐体(きょうたい)で再現する」という音です。

 Rebecca Pidgeon(レベッカ・ピジョン)の「スパニッシュ・ハーレム」という有名な曲のハイレゾ音源(HD Tracksで配信中)を聴きましたが、冒頭のベースの音階感、ボーカルのしなやかさとツヤっぽさ、さらに盛り上がるストリングスの華麗さ。音場が小さいことを除けば、まさに本格的なハイレゾオーディオシステムで聴いている印象です。

 考えてみると、ソニーのハイレゾの展開では、本格的なネットワークプレーヤーより、ハイレゾウォークマンや一体型スピーカーのほうが音的に“華”があるような気がします。SRS-X9では、コンパクトな筐体には7つのスピーカーユニットを搭載し、このうちスーパーツィーターは正面と天面にそれぞれ設けています。さらに8基のアンプを使ったマルチアンプ駆動というぜいたくな構成で、中身を徹底的にハイレゾ向けにチューニングしています。つまり、ゼネラルオーディオ的なアプローチでなく、音作りをまじめに行った製品ということ。コンパクトでも「ハイレゾを聴かせるぞ」という意気込みが感じられる製品です。

●東和電子「NANOCOMPO」からネットワークプレーヤーが登場

麻倉氏: Olasonicの小型コンポ「NANOCOMPO」(ナノコンポ)からネットワークプレーヤー「NANO-NP1」が発売されました。USB-DAC付きのプリメインアンプ「NANO-UA1」から始まり、単体DAC「NANO-D1」やパワーアンプ「NANO-A1」と続くシリーズの最新モデルですが、今回もなかなか音が良くて、サイズを考えるとびっくりするようなHi-Fiオーディオ機器に仕上がっています。ナノコンポ特有の音――明確でしっかりした輪郭感を持ち、切れ味やスピード感が感じられます。

麻倉氏: 面白いのは、「NANO-NP1」がD/Aコンバーター回路を持たず、いわばネットワークトランスポート(アナログ出力を持たないプレーヤー)になっていることです。DACは前述の「NANO-D1」を利用してもいいですし、ほかのメーカーの製品を使うこともできます。ナノコンポのシリーズはCDプレーヤーもトランスポートスタイルですし、機能の使い方がとても合理的。あの小さいサイズで有機的に各機器が連携します。最初のプリメインアンプが出たときは、意外狙いのデザイン提案なのとも思いましたが、コンポーネントがそろってきたことで発展性を含めた統一的な新しい価値を生み出しています。

 振り返ると、オーディオの世界には単品コンポーネントがあり、次第にシスコンやミニコンへと主流が移ってきました。しかしシスコンやミニコンには発展性がありません。音作りもシステムトータルで行っているため、例えばスピーカーが小さくて低音が出ない場合には信号処理やアンプ側で低域を補強してしまったりしていました。つまり、ほかのスピーカーを接続すると音がおかしくなってしまうのです。

 一方、ナノコンポの有機的な発展は、それぞれの再生方法に対応していくだけで新しいオーディオの形になります。これこそ新しい時代のコンポーネントでしょう。

 1つ提案があります。従来のネットワークオーディオでは、NASをあまり表に出さず、むしろ隠そうという傾向がありました。しかし、よく考えると音源ってすごく大事です。ナノコンポのデザインなら、インテリアとの親和性も高く、表に出すことも可能ではないでしょうか。あのボディーで高音質なNASストレージを出してほしいと思います。

●バッファローのオーディオ専用NAS

麻倉氏: “表に出せるNAS”というコンセプトを先に実現したのが、バッファローが2月下旬に発表した「DELA」(デラ)ブランドのNAS 2製品です。アルミ筐体(きょうたい)を採用し、TAOCのインシュレーターを付けたり、堂々とコンポーネント機器の1つとしてAVラックに設置できるようにしました。しかも、音と操作性が本当に良い。

 これまでネットワークオーディオには、バッファローやアイ・オー・データ機器、QNAPなどのNASがよく使われていましたが、決してオーディオ用途を考えたものではありませんでした。しかしオーディオメーカーにはNAS開発のノウハウがなかったため、仕方なく既存の製品を使っていたのです。

 そのために私にもトラブルもありました。よく憶えているのは、一昨年の「インターナショナル・オーディオショー」で、あるブースのNASのコンセントを誰かが抜いてしまい、起動しなくなってしまったことです。しかも再起動にはファームウェアの再インストールが必要でした。後でバッファローに話を聞いたところ、ファームウェアもHDD上に格納されているため、しっかり終了プロセスを行わないと再起動できなくなってしまうのだそうです。そんな仕様はオーディオではあり得ないと怒るのは天に唾かもしれません。だって、そんな使われ方は絶対にしないIT用途のNASなのですから、そもそも怒るのが間違っているでしょう。

 一方、「DELA」ブランドのNASでは、これらの問題をすべて解決し、さらに音的にも素晴らしいものに仕上げました。驚かされるのは、それが“徹底”していること。オーディオ的に良いとされることをすべてやっています。相当、バッファローもIT的な性根を改めたと見えます。

 一般的なNASはなるべく軽量に作ろうとしますが、DELAは逆に天版を重くするなどオーディオ製品に求められる安定性を第一に考えました。SSDも読み出しスピードを追うより“コンスタントに読み出せる”仕組みを作り、ファームウェアはNANDフラッシュに格納することで、たとえ電源を突然切られたとしても壊れない仕様になっています。前面には有機ELディスプレイを備え、曲名やパラメーターも表示できます。そしてタブレットからの操作も可能にしました。

 音にも驚かされます。実際にこれまでの定番的NASから「N1A」に交換したところ、音の透明感や伸びやかさが全く違いました。やはり専用に開発され、オーディオに適した仕組みを持つ製品は全く違います。目からウロコが落ちるようでした。一方、上位機の「N1Z」は、「がんばっている」というより、力を抜いても素直に良い音が出てくるといった印象。楽器のような、あるいはハイエンドオーディオのような音の出方といえば分かりやすいかもしれません。ですから、これからネットワークプレーヤーとNASの導入を考えている人は、一般的なNASはお勧めできません。

 バッファローでは、まず他社製ネットワークプレーヤーのコンパニオンデバイスとして販売する方針で、15万円前後のHDDモデル「N1A」と80万円弱のSSDモデル「N1Z」をラインアップしました。かなり高価ですが、上位モデルはLINNの「KLIMAX DS」(250万円)などとの組み合わせを想定しているそうですから、それだけの音を求める人たちにはちょうどいいでしょう

 また、DELAは背面に3つのUSB端子を持っていますが、このうち1つがUSB出力になる方向が考えられています。つまりのPC代わりにDACと接続し、そのままハイレゾ再生が行えるというものです。さらにタブレット操作でハイレゾ音源配信サイトから直接購入することも可能にする計画で、実現すればPCなしでハイレゾ音源の購入から再生に至る環境が完成します。PCオーディオの面倒なところは、ほとんどPCの設定で、それこそ本が1冊書けるくらいですから、新しい形の提案にも期待したいですね。

――後半ではポータブル環境の製品を取り上げます。

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2014.03.31|コメント(-)トラックバック(-)
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