
社会医療法人孝仁会(北海道釧路市、齋藤孝次理事長)と社会医療法人社団碩心会(札幌市、大野猛三理事長)は、6月1日に合併すると発表した。孝仁会が吸収合併する形となり、理事長は引き続き齋藤氏が務める。厚生労働省によると、社会医療法人同士の合併は全国初という。【敦賀陽平】
孝仁会は釧路を中心に、病院や診療所、介護施設などを運営。一方、碩心会は札幌市西区の「心臓血管センター北海道大野病院」(157床)などを所有し、循環器系の疾病に強い医療機関として知られている。
昨年、孝仁会は同区内に広さ約1万1570平方メートルの土地を取得した。だが、医療圏内の病床数が、道の医療計画の基準病床数を上回っていたため、新たに病床を増やすことができなかった。他法人との合併による新設を模索する中、碩心会が老朽化した病院の建て替えを検討していることを知り、双方の思惑が一致する形で合併が実現する。
合併に伴い、碩心会の資産は孝仁会に移譲され、碩心会は廃止となる。このため、認定取り消しとは異なり、法人税などの新たな課税は発生しない。合併後の従業員数は約1500人、年間の売上高は約162億円に上るという。
孝仁会では2016年秋に「北海道大野記念病院」(仮称)を新設し、脳神経外科や心臓血管外科、循環器内科などで急性期医療を提供する。道東は、医師や他の医療職の数が不足しており、新病院で優れた人材を育て、将来的に職員を派遣することを視野に入れている。新病院の院長には大野氏が就任する予定だ。
齋藤氏は昨年秋、医療法人札幌第一病院(札幌市西区、199床)の理事長に就任しており、2年後に孝仁会と合併する方向で協議が進んでいる。それが実現すれば、大野病院が所有する病床と合わせて、350床規模の病院が誕生することになる。
社会医療法人は、06年の医療法改正に伴って創設された。救急医療やへき地医療といった公益性の高い医療を提供する代わりに、税制の優遇措置などが受けられる。北海道は社会医療法人の数が全国で最も多く、現在27法人に上る。孝仁会は救急医療、碩心会はへき地医療でそれぞれ認定を受けている。